♦️2026年 IMAT試験 「問題分析」を公開♦️
入試情報
2026.09.30
IMAT 2026 分析レポート
全体総評
- 生物は「〜の主な機能は?」のように知識を問う基本問題がほとんどで、 誤答の選択肢も明らかに違うものが多く見られます。
- 2025年は生物の半分以上が生化学(代謝)に偏っていましたが、 2026年は全範囲から基本事項を広く浅く出題する形に戻っています。
- 易しい年は高得点者が増えるため、合格点は上がりやすいと考えられます。 差がつくのは難問ではなく、 基本問題のケアレスミスと計算の正確さ です。
教科別の総評と単元別出題数
表の数字は問題数、括弧内は問題番号です。
① 読解・一般知識(4問)
2025年は薬の添付文書、経済記事、ダ・ヴィンチ、プリオンなど 実用文や科学系の文章でした。 2026年はフェイクニュースの歴史、Aleramo、イタリア文学史と、 人文系・イタリア文化の文章 に変わりました。 Q4「デジタル経済」は文章のない一般知識問題です。
難易度は同程度ですが、昨年度より読解量がやや多くなりました。 一方で、他の科目の計算量などが少なくなったため、 その分、読解・一般知識に少し多く時間を割けるようになったと思われます。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 文章読解 | 3(Q1〜3) | 4(Q1〜4、Q3は一般常識寄り) |
| 一般知識 | 1(Q4) | 0 |
② 論理(5問)
2025年は命題論理、席の配置、条件整理、時計の問題でした。 2026年は 数列・割合・式の代入などの問題が中心 でした。 難易度は同等か、やや難しくなっています。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 形式論理(命題・三段論法) | 1(Q9) | 2(Q5, 6) |
| 配置・条件整理 | 0 | 2(Q7, 8) |
| 数的推理・計算(数列・割合・図形知識・時計) | 4(Q5〜8) | 1(Q9) |
③ 生物(23問)
2025年は解糖系・TCA回路・電子伝達系などの 代謝が13問 あり、酵素名や生成物の数まで問われました。
2026年は
細胞・遺伝・分子生物・生理から基本事項を均等に出題
しています。
2025年は遺伝・分子生物が0問でしたが、
2026年はバイオテクノロジーを含めて8問出ました。
昨年と比較して難易度は大幅に下がっています。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 細胞生物学(構造・膜・原核生物) | 4(Q12, 14, 15, 16) | 3(Q27〜29) |
| 代謝・酵素・生体エネルギー | 5(Q22〜26) | 13(Q10〜14, 19, 20, 22〜26, 30) |
| 分子生物学(DNA・RNA) | 3(Q29, 30, 32) | 0 |
| 遺伝・細胞分裂 | 3(Q27, 28, 31) | 0 |
| バイオテクノロジー・細菌の遺伝 | 2(Q18, 19) | 0 |
| 生体分子(タンパク質) | 0 | 1(Q15) |
| ヒトの解剖・生理 | 6(Q10, 11, 13, 17, 20, 21) | 6(Q16〜18, 21, 31, 32) |
④ 化学(15問)
2026年は 反応式の係数合わせの問題が3問 と大きく増え、係数合わせの計算をして解く問題が増えました。
一方、それ以外は定義を問う基本問題が多く、 モル濃度・物質量・溶液の計算などを得意としていた学生は、 その強みを生かしにくかったと考えられます。
また、有機化学の物質の定義や知識を問う問題も多く出題されたため、 計算問題は得意でも知識に漏れがある学生は、 かえって今年の化学の得点が伸びきらなかった可能性があります。
- 「塩を水に溶かすと中性か」を問う問題は、 2025年Q40(KBr)と2026年Q37(NaBr)でほぼ同じ内容でした。
- 塩素のオキソ酸 (2025年HClO2、2026年HClO) も続けて出ています。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 原子構造・周期表 | 2(Q33, 36) | 2(Q37, 46) |
| 化学結合・分子間力 | 1(Q42) | 2(Q36, 38) |
| 酸化還元(酸化数・係数合わせ) | 3(Q34, 39, 40) | 2(Q34, 35、係数合わせは0問) |
| 酸・塩基(pH・塩の加水分解) | 2(Q37, 38) | 2(Q39, 40) |
| 無機化合物・命名法 | 1(Q41) | 1(Q45) |
| 反応速度・化学平衡 | 1(Q35) | 2(Q41, 42) |
| 熱化学 | 1(Q47) | 0 |
| 気体 | 1(Q46) | 1(Q33) |
| 有機化学・生体分子 | 3(Q43〜45) | 3(Q43, 44, 47) |
⑤ 物理(2026:7問/2025:6問)
2026年も難易度は大きく変わりませんでした。 ただし、今年は 波動に関する問題が1問(Q54) 出題されました。
波動はIMATの出題範囲に明確には含まれていないため、 多くの受験生が出題範囲外として試験運営側に意見を出し、 場合によっては受験者全員が正解扱いになる可能性もあります。
実際、過去のIMATでも、 出題範囲外と認定されて全員正解となった問題がありました。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 力学(運動学・力学・エネルギー・万有引力) | 4(Q48〜51) | 3(Q55, 58, 59) |
| 流体(静水圧) | 1(Q52) | 1(Q60) |
| 電磁気 | 1(Q53) | 2(Q56, 57) |
| 波動 | 1(Q54) | 0 |
⑥ 数学(2026:6問/2025:7問)
日本の高校数学をしっかり履修している学生にとっては、 簡単だったと思われます。
しかし、昨年度のIMATとは出題範囲や出題単元が大きく異なったため、 数学があまり得意でない学生は少し苦戦した可能性もあります。
| 単元 | 2026 | 2025 |
|---|---|---|
| 方程式・不等式・式変形 | 1(Q55) | 4(Q48, 51, 53, 54) |
| 指数・対数 | 2(Q56, 60) | 0 |
| 座標幾何(円・放物線) | 2(Q57, 59) | 0 |
| 確率 | 1(Q58) | 0 |
| 三角関数 | 0 | 1(Q49) |
| 集合 | 0 | 1(Q50) |
| 平面図形 | 0 | 1(Q52) |
合格点(カットオフ)の変動予想
合格点の変動は受験者層の変化に大きく左右されるため、 全体の合格最低点を一概に予想することはできません。
生物: 2024年のIMATでも生物が易しくなり、 多くの大学で合格者の生物の得点が満点に近くなりました。 このことから、今年もNon-EU枠で合格していく学生の多くは、 生物で満点近くを取っていると推測されます。
化学: 今年は物質量の計算などが出題されなかったため、 普段は計算ミスで得点を落としてしまう学生も、 その点での失点がなかったと考えられます。
合格最低点を左右する要因
まず、志願者数の昨年からの変動が影響します。
さらにNon-EU枠では、問題全体の難易度だけでなく、 自分の第一志望の大学に何人が出願しているか が合格最低点に非常に大きく影響します。
これらは現時点では発表されていないため、 最終的な合格発表を待つ必要があります。
指導への示唆
2027年度のIMATも今年と同じ形式だとすると、 次の点が重要です。
- 生物は、全範囲の基本事項を取りこぼしなく必ず勉強する。
- 化学も、有機・無機などの基礎知識を取りこぼさずに身につける。
- 数学は、日本の高校数学レベルを満遍なく習得しておく。
- 模擬試験などを活用し、時間配分をしっかり意識する。
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