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【医師の9割以上が英語力不足を痛感】増える外国人患者に対応する日本の医療現場や、国際学会での問題点を調査

重要

2025.07.21

この度当校では、全国の医師約1,000人を対象に「医師の英語対応力」に関する調査を行いました。

訪日外国人の増加や外国人居住者の定着により、日本の医療現場でも英語を含む語学対応の重要性が増しているといわれていますが、日本の医学部では日本語での医学教育に重点をおいています。

しかし、日本以外の先進諸国ではグローバル化の進展とともに、母国語ではなく、英語での医学教育に注力する大学が増えており、現在の日本の医学教育との語学教育格差は拡大しつつあります。

そのような中、現場の医師たちは外国人患者への英語対応について、どのような課題があると感じているのでしょうか。

以上を明らかにするために、当校では、全国の医師約1,000人を対象に「医師の英語対応力」に関する調査を行いました。

調査概要:「医師の英語対応力」に関する調査

【調査期間】2025年6月13日(金)~2025年6月14日(土)

【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査

【調査人数】1,029人

【調査対象】調査回答時に医師と回答したモニター

【調査元】MED ITALY株式会社 (イタリア医学部予備校)

【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

外国人患者の増加を医師の約9割が実感

はじめに、「外国人患者は増えていると思うか」について尋ねたところ、約9割の方が『とてもそう思う(38.9%)』または『ややそう思う(50.7%)』と回答しました。

日本を訪問・居住する外国人は年々増加し、医療機関への受診ニーズが高まっている現状が反映されていると考えられます。

こうした外国人患者の増加は、医師の意識にも影響を与えている可能性があります。

そこで、「グローバルに活躍する医師への憧れを持ったことはあるか」について尋ねたところ、8割以上の方が『ある(84.5%)』と回答しました。

この結果から大多数の医師が国際的なキャリア形成に対する関心を持っていることがわかります。

また、グローバルに活躍する力は、国際学会や海外研修だけでなく、国内で増える外国人患者への対応力向上にも直結します。

「外国人患者の診療で、語学力不足により支障が出たこと」について尋ねたところ、『診断や治療内容を十分に説明できなかった(42.3%)』が最多で、『症状や病歴を正確に把握できなかった(39.4%)』『処方薬の服用方法や注意点が伝わらなかった(32.7%)』と続きました。

語学力不足による支障は「医療説明の精度」に集中しており、診断・治療内容の説明不十分や服薬指導の難しさを感じているようです。

また、病歴把握の困難さも課題に挙げられ、正確な診断や適切な治療方針の決定を難しくする要因となっている様子がうかがえます。

では、こうした語学面での課題は、学術活動ではどのように表れているのでしょうか。

「国際学会などに参加した際、英語力がもっと高ければ、より有意義なものにできたと感じたことはあるか」について尋ねたところ、9割以上が『とても感じた(43.2%)』または『ある程度感じた(47.4%)』と回答しました。

学術活動の場でも、多くの医師が英語力不足を実感していることが示されました。

国際学会では、発表や質疑応答で専門用語を使った円滑なやりとりが求められるうえ、他国の最新研究を正確に理解し、自らの成果を広く発信する必要もあるため、英語力の向上が学術活動を充実させるうえで欠かせない要素だと感じているようです。

実際、国際学会における日本人医師において特に問題視されているのは、プレゼン自体ではなく、その後に行われる質疑応答部分や交流会での対応です。

内容をしっかりと準備することができるプレゼンと裏腹に、突発的な質問などに対して流暢に返答できる医師が少なく、また交流会においても、他国の医師と積極的に関わろうとしない傾向があり、グローバルスタンダードについていけない点が問題視されています。

英語対応可能なスタッフは「2〜4割」が最多。英語対応に苦悩する現場の実態

では、実際の医療現場での英語対応体制はどのような課題があるのでしょうか。

「職場の英語でスムーズに医療対応ができるスタッフの割合」について尋ねたところ、外国人患者の増加を大多数が実感している一方で、英語対応スタッフが「5割以上」いると回答した方はわずか15.6%という結果となりました。

現場では一定数の対応人材は確保されているものの、十分な体制には至っていない様子がうかがえます。また「まったくいない」という施設も一定数存在しており、そもそも英語対応ができる体制自体が整っていないケースも見受けられます。

外国人患者の受診機会が拡大する中で、こうした状態は医療安全の面でも今後の課題となりそうです。

そこで、「職場の英語対応に関する課題」について尋ねたところ、『英語での対応に時間がかかり診療効率が下がる(38.0%)』が最多で、『外国人患者対応で誤解やトラブルが起こることがある(33.7%)』『英語を話せるスタッフが限られており、対応が属人的になっている(33.2%)』と続きました。

英語対応の課題は、診療効率の低下や誤解・トラブルの発生といった実務面に集中していることが見て取れます。

また、限られたスタッフに対応が偏ることで属人化が進み、特定の人材に負担が集中しやすく、対応の継続性や安定性にも課題が生じている様子がうかがえます。

現場のこうした課題感を踏まえ、医師自身は英語での診療や説明にどの程度自信を持っているのでしょうか。

「英語での診療や説明にどの程度自信があるか」について尋ねたところ、『とても自信がある(20.9%)』または『やや自信がある(44.3%)』と、6割以上が一定の自信を持つ結果となりましたが、『とても自信がある』と答えた医師は約2割にとどまっています。

医療現場では、専門用語や文化的背景に配慮した説明が求められる場面も多く、実践的な英語対応力の向上は課題となっているといえるのではないでしょうか。

約9割の医師が海外での学びに前向き。メリットは「診療の円滑化」と「情報入手」

こうした英語対応力は医師のキャリア形成において、どの程度重要と考えられているのでしょうか。

「今後、英語対応力は医師としてのキャリア形成において、どの程度重要だと思うか」について尋ねたところ、『とても重要だと思う(31.7%)』『やや重要だと思う(51.2%)』を合わせると8割以上が重要性を認識していることがわかりました。

さらに「医師に英語対応力があると、どのようなメリットがあると思うか」について尋ねたところ、『外国人患者と円滑にコミュニケーションがとれる(45.9%)』が最多で、『最新の医学論文や医療情報を英語で直接入手できる(45.8%)』『国際学会や海外研修で発表・議論ができる(27.8%)』と続きました。

英語対応力のメリットとしては、外国人患者との円滑なコミュニケーションや、最新の医療情報を直接理解できることが特に重視されているようです。

また、国際学会での発表や海外での勤務機会など、さらなる活躍の場も期待できることから、診療現場と学術活動の両面で重要な役割を果たし、キャリアの選択肢を広げる要素と考えられているようです。

では、こうした英語対応力のメリットを踏まえ、海外で学ぶことについてはどのように考えているのでしょうか。

「機会があるなら医学留学など海外で学ぶ経験をした方がよいと思うか」について尋ねたところ、『とてもそう思う(37.2%)』『ややそう思う(52.3%)』を合わせると約9割が海外での学びに前向きな姿勢を示していることがわかりました。

医学の専門知識を深めるだけでなく、英語対応力を実践的に高める貴重な機会としての価値が認識されていることがうかがえます。

こうした経験は、今後の診療現場や国際的なキャリア形成にも大きく役立つと考えられているようです。

「海外で学ぶ」という選択が拓く、医療の質の向上と国際的視野の可能性

今回の調査で、外国人患者の増加に伴い、医療現場における英語対応力の必要性とその課題が多面的に明らかになりました。

医師の約9割が外国人患者の増加を実感しており、多くが国際的なキャリアへの憧れを抱いている一方で、現場では語学力不足による診療上の支障が顕在化しているようです。

特に「診断・治療内容の説明不足」や「病歴の把握困難」といった課題が多く挙げられており、国際学会など学術活動においても英語力不足を実感する声が見受けられました。

職場の英語対応については、「英語でスムーズに対応できるスタッフが5割以上いる」と答えたのは1割程度にとどまりました。対応が特定のスタッフに偏って属人化している現場も多く、対応に時間がかかることで診療効率が下がるなどの実務的な課題が示されました。

医師自身は6割以上が英語診療に一定の自信を示す一方で、専門性の高い医療対応に不安を抱く方も3割以上存在し、実践的な英語力の習得が今後の鍵となりそうです。

さらに、8割以上が英語対応力の重要性を認識しており、その理由として「外国人患者との円滑なコミュニケーション」や「医療情報の直接取得」などの具体的なメリットが挙げられています。

こうした意識を反映するように、医師の約9割が「医学留学など海外で学ぶ機会を持つことに賛同する」と回答しており、今後の課題を見据えたうえでも、実践的な語学力とグローバルな視点を身につける場として、海外での学びには大きな価値があると考えます。

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