ミラノの名門!サンラファエレ大学医学部の魅力と入試情報を徹底解説【2025年度版】

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はじめに

北イタリアの名門として有名なイタリア・ミラノにある私立大学サンラファエレ大学。この大学の医学部英語コース(International MD Program)は、世界中から学生が集まる国際的なプログラムです。医学部を目指す日本の高校生や大学生、留学を考えている方、そして海外医学部進学を検討している保護者の皆さんに向けて、サンラファエレ大学英語医学部の魅力や実際の様子を「基本情報」から「入試制度」「カリキュラム」「学生生活」「卒業後の進路」に至るまで、しっかりお届けします。


大学の基本情報

サンラファエレ大学は、イタリア・ミラノに拠点を置く私立大学です。1996年、司祭のルイジ・ヴェルゼ氏によって創立されました。大学はミラノの東側にあるセグラーテ地区にキャンパスがあり、隣にはサンラファエレ病院が建っています。最寄り駅のミラノ地下鉄のカッシーナ・ゴッバ駅からバスで約13分、ミラノ中央駅からも公共交通機関で30分くらいです。

沿革と特徴:
サンラファエレ大学は、もともとサンラファエレ研究病院の中に設立された心理学部(1996年開設)から始まりました。その後、医学部、生命工学部、看護学部、理学療法学部、哲学部などを続々と開設し、医療と人文科学の教育・研究で高い評価を得ています。とくに医学部は当初から研究病院と直結しており、学生は1年目から病院の研究施設や病棟で実習を行うなど、実践的な学びができる体制が整っています。イタリアの大学評価機関Censisが行うランキングでも、しばしば医学部で国内首位に選ばれるほどの名門です。

国際医師プログラム(IMDプログラム):
サンラファエレ大学にはイタリア語の医学課程とは別に、2010年からイタリアで初となる「International MD Program」と呼ばれる医学部英語コースを解説しました。6年間一貫のプログラムで、授業はすべて英語で進められます。定員はEU出身者と非EU出身者でほぼ半々に分かれていて、世界中から集まる学生たちでとても国際的。ミラノというヨーロッパ有数の都市にあることもあり、多文化交流が盛んで、グローバルな視点と異文化への理解力を身につけやすい環境です。


サン・ドナート病院グループと大学の連携

サンラファエレ大学は、イタリア最大の医療グループ「サン・ドナート病院グループ(GSD)」傘下の大学としてイタリア国内で高い知名度を誇ります。グループ全体で63の医療施設(うち18の病院と3つの研究病院*IRCCS)を持ち、年間470万以上の患者を受け入れるヨーロッパ屈指の医療ネットワークです。グループは、臨床・研究・教育を融合させる独自スタイルを重視していて、ロボット手術システム「ダヴィンチ・システム」を早くから導入するなど先進医療にも積極的。GSDの要ともいえるサンラファエレ病院は、頻度の高い病気から希少疾患まで幅広く対応できる総合病院であり、分子医学や糖尿病、再生医療などの研究でも世界トップレベルの評価を受けています。特にイタリアの医療業界において、同病院の評価は非常に高く、医学生の卒業後の研修先としては、イタリア国内の病院の中で毎年トップの人気を誇る名門病院です。


研究力と実績

サンラファエレ大学は、ヨーロッパでもトップクラスの研究力を誇ります。年間2,200本を超える査読付き論文が出され、合計インパクトファクターは8048にも達するほど。さらに700件以上の臨床試験が常に動いていて、毎年300件以上の新規プロジェクトが倫理委員会に申請されています。2014年から2021年の7年間だけで700件以上の競争的研究助成を獲得するなど、資金の面でもかなり強く、ERC(欧州研究委員会)の助成金を2007年以降で通算31件も取っています。特に若手研究者向けのスターティンググラントを毎年複数勝ち取るなど、国際競争力が高いことが伺えます。

世界的に権威のあるタイムズ・ハイアー・エデュケーションの2025年版世界大学ランキングでは、国公立を含む医学部の総合ランキングにてイタリア国内4位相当(世界で201–250位)、医学・健康分野の分野別ランキングでは国内2位(世界トップ150位以内)となっています。


英語医学部の特徴

カリキュラムと教育方針:
英語医学部(IMDプログラム)は、6年制の一体型カリキュラムを採用しています。基礎から臨床へステップアップしやすい科目配置になっていて、学生の習熟度に合わせて内容が深まる設計です。1年目から3年次前半までは、プレクリニカル(前臨床)や基礎医学の分野にしっかり取り組みます。たとえば1年目は医学化学や生化学、細胞生物学、遺伝学、医療物理学、統計学、看護学などがメインで、2年目では解剖学、組織学、生理学、薬理学など、人の体の構造や機能を詳しく学びます。

早期からの実践経験:
1年目のうちに短い期間ですが看護実習があり、患者さんのケアを体験できるのも特徴です。本格的な臨床実習(クリニカルローテーション)は3年目から始まります。3年目以降はサンラファエレ病院や、同病院が所属するサン・ドナート病院グループの関連病院で各診療科の研修を行います。サンラファエレ病院は分子医学や糖尿病・代謝疾患、バイオテクノロジー、医用イメージングなどでイタリアの拠点となる先進医療研究病院なので、最先端の医療現場を早い段階で経験できるのはとても魅力的です。

後期課程と選択トラック:
4年目から6年目は、精神医学や放射線診断学、腫瘍学、神経科学、産婦人科、小児科、救急医療など、より専門的な臨床医学の科目を履修しながら、病院実習の時間が一段と多くなります。6年目には公衆衛生、法医学、グローバルヘルスなどを学んだうえで卒業論文研究に取り組むのが一般的。またIMDプログラムには、General Track、Medicine and Surgery Track、Global Health Track、Translational Research Trackという4つのトラックがあって、自分の目指す将来像に合わせて専門性を伸ばせます。

授業形態・試験評価:
授業スタイルは講義、実習、グループワーク、PBL(Problem-Based Learning)など、アクティブ・ラーニングを大事にしています。単に知識を丸暗記するのではなく、医療の現場で役立つ課題解決力を鍛えるため、ケーススタディなどに主体的に取り組むことが多いです。評価方法は、基礎科目だと筆記試験(多肢選択式)が中心で、臨床科目では口頭試問(オーラル試験)もあり、イタリアの他大学より筆記評価がやや多めな印象。客観的に知識や応用力を確認する仕組みが整っています。

国際認定と評価:
サンラファエレ大学のIMDプログラムは、世界保健機関(WHO)やイギリスのGMC(General Medical Council)、アメリカのECFMG(外国医卒教育委員会)などから正式に認証・認定されています。これにより、卒業後の医師資格取得プロセスを各国で進めやすいのが強み。「卒業後すぐにアメリカやヨーロッパ各国のレジデンシープログラムへ行くことも可能」と大学も明言していて、世界で活躍する医師を育成するプログラムとして高く評価されています。


入試制度

入試方式:
サンラファエレ大学の英語医学部に入るには、大学独自の入試が行われます。国公立大学の英語医学部で実施されるIMATとは別物で、サンラファエレ大学専用の「UniSR Admission Test」という筆記試験が唯一の選考手段です。定員はEU出身者とNon-EU(EU外)出身者で分かれていて、2025-2026年度はEU枠86名、Non-EU枠64名の合計約150名ほど。日本から受験する場合はNon-EU枠に該当します。

試験内容:
試験は英語で出題される多肢選択式(MCQ)60問。うち36問が論理的思考・問題解決・読解力を問う問題、残り24問が生物・化学・数学・物理の理系4科目に関する問題です。試験時間は80分で、正解+1点、誤答-0.25点、未回答0点という採点方式。満点は60点で、このスコア順に合否が決まります。英語力と論理力、そして理系基礎知識が幅広く問われるのでハードルは高め。IMATと似ている部分もありますが、こちらのほうが論理問題のウェイトが大きいと言われています。

試験日程と出願時期:
この入試は年に2回実施され、2025年度はNon-EU枠だと3月5日と3月26日に実施でした。受験者はどちらかの枠に合わせて申し込み、2回のチャンスで一番良い点数を最終スコアとして使えます。出願受付は試験の約2ヶ月前に締め切られ、Non-EU枠は1月中旬から2月末、EU枠は1月中旬から3月中旬が目安。出願はオンラインで申し込み、受験料は約200ユーロです。高校卒業(予定)資格が必要で、日本の高卒資格ももちろんOK。ただし海外の学校卒業者は書類審査を試験5日前までに受けるなどの手続きがあります。

英語力証明:
入試自体は英語スコアを出さなくても受けられますが、合格して入学する際にはCEFRでC1相当の英語力を証明する書類(IELTSやTOEFL)が必要です。ただし、高校や大学で2年以上英語教育を受けていれば免除されることもあります。


学費

学費(授業料):
英語医学部の学費は年間20,140ユーロ(約20,000ユーロ)で、収入に関わらず一律です。国公立大学のように所得に応じた減額(ISEE)の仕組みはありません。2024/2025年度だと6年間毎年20,140ユーロなので、トータルで約120,840ユーロ。日本円にして1ユーロ=160円計算だと、およそ1900万円強。日本の私立医学部が6年間で3200万~4000万円ほどかかることを考えると、やや安いか、ほぼ同等のレベルといえます。


学生生活

キャンパス環境:
大学のメインキャンパスは、医療施設や研究所、講義棟などがまとまった“小さな街”のような場所です。すぐ近くに大学病院があるので、普段から医療スタッフや患者さんが行き交うのが当たり前の光景。図書館やカフェテリア、学生用ラウンジなどもしっかりそろっていて、勉強だけでなく息抜きや交流の場として活用できます。スポーツも盛んで、大学のスポーツクラブ(CUS Milano)ではサッカーやバスケットボール、ラグビーなど、さまざまな活動が行われています。

ミラノでの生活:
ミラノはイタリアで2番目に大きな都市で、ファッションやデザインの中心地として世界中に知られていますが、金融・産業の拠点でもあります。歴史的な建物と近代的な高層ビルが混在する都会的な雰囲気で、英語も比較的通じやすく、日本食やアジア食材店も少なくありません。地下鉄が4路線あって、バス・トラムも充実しているので、郊外にある大学への移動もそこまで不便ではありません。ヨーロッパ各地へのアクセスも良く、ちょっとした旅行にも出かけやすいです。ただ、冬は霧が多かったり、夏はけっこう暑くなったりと、季節の変化には慣れるまで時間がかかるかもしれません。


卒業後の進路

イタリアでの資格取得:
サンラファエレ大学は他のイタリア英語医学部と同じ様に、6年次のうちに国家試験レベルのプロセスを組み込み、卒業と同時にEU内で有効な医師免許の資格付与がされます。

他国でのキャリア:
サンラファエレ大学IMDプログラムは、ECFMG(米国)やGMC(英国)の認定を受けているため、アメリカやイギリスで医師として働く道も開けています。とくにアメリカではUSMLE(米国医師国家試験)をパスすればレジデントになる資格を得られます。実際、カリキュラムにUSMLE Step1やStep2の対策が組み込まれており、アメリカでの就職志望者にも相性がいいようです。イギリスに関しても、PLABなどを経てFY1(初期研修医)になることが可能。もちろんレジデントの採用や競争は厳しいですが、少なくとも資格面でのハードルはクリア済みというのは大きいです。


米国レジデンシー取得への手厚い支援

サンラファエレ大学の英語医学部(IMDプログラム)は、アメリカのレジデント研修(専門医プログラム)にマッチングするためのサポートを手厚く行っていることでも有名です。6年間のカリキュラムに米国医師国家試験(USMLE)の対策が組み込まれていて、卒業と同時にアメリカやカナダで働くための資格要件をクリアできるよう工夫されています。イタリアで初めてNBME(米国国家医学試験委員会)の基準に合致したという、かなり画期的なプログラムです。実際に、在学中にUSMLEのStep1・Step2に合格して、卒業後すぐ米国のレジデンシーに進む学生もいるようです。大学側もUSMLE対策や願書の書き方、面接対応など、総合的にサポートしてくれるので安心感があります。また、イタリアで初めて英語医学部を開設したという歴史から、実際に欧米で働く卒業生や海外出身の教授等、広い提携ネットワークがあるため、在学中の海外臨床実習や、卒業後に海外で働きやすかったりと、医学部卒業後日本以外の欧米で働きたいと考えている学生にとっては大変魅力的な大学と言えます。

まとめ

北イタリアの名門として有名なイタリア・ミラノにある私立大学サンラファエレ大学の魅力や実際の様子を「基本情報」から「入試制度」「カリキュラム」「学生生活」「卒業後の進路」といった観点から解説しました。

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